1970年2月28日コペンハーゲン公演です。ご存じ、この公演は、飛行船考案者のツェッペリン伯爵の子孫からクレームがついて、デンマーク国内でツェッペリンという名前の使用はまかりならんと言われ、やむなく「ザ・ノブズ」というバンド名で行なわれたコンサートとして有名な日。その記録として貴重なデンマークはコペンハーゲン公演を収録しています。このツアーのオープニングは「We’re Gonna Groove」と「I Can’t Quit You」のメドレーであったと思われますが、残念ながらこの日は「Dazed And Confused」以降の収録となっています。しかし幸いかな、その後はアンコールの最後まで収録されていて、初期ツェッペリンの音源記録として異彩を放つ必聴のコンサートとなっています。「情熱的に念には念を入れ」と称された丁寧な「Dazed And Confused」から、ギター・エフェクトのイントロがつけられた「Heartbreaker」など、後の定型化されたライヴとは異なる興味深い演奏の連続です。まだそんなに長くはない「Thank You」の前のオルガン・ソロですが、それよりもロバートがMCで?次の曲はサンキューです“と紹介していることが驚きです。通常は厳かに始まる同曲ですが、ロバートが曲紹介をしているのは後にも先にもこの時だけではないでしょうか。さらに聴きどころは何と言っても、繰り返し繰り返し行なわれるアンコールです。「Moby Dick」「How Many More Times」の長い演奏の後に、「Whole Lott Love」、「Communication Breakdown」、さらにエディ・コクランの「C’mon Everybody」と「Something Else」が続けて演奏され、それでもまだ終わらず、凄まじい演奏で10分以上に渡る「Bring It On Home」でステージは締められます。しかし更なるアンコールを求める聴衆の拍手は鳴りやむことなく、再度ステージに出てきたツェッペリンは、火を吹くような「Long Tall Sally」を演奏し、やっとステージを後にします。“コンサート・ファイル”によると、この日の序盤は観客のノリが悪く、確かに必至に聴衆を煽るロバートの様子は涙ぐましい限りです。しかしコンサート後半になると、やっと観客も暖まってきたのか、大歓声で燃え上がっています。この流れをしばらく継続したかったのでしょう、このように何度も繰り返しアンコールに出るコンサートは珍しいのではないでしょうか。前述の通り、オープニングの2曲は欠落しているものの、それ以外には曲中カットもなく、何度も繰り返されるアンコールで演奏されたロックン・ロールのカバー曲の数々といい、若きツェッペリンの素晴らしいステージを堪能できるタイトルです。まして一時的にせよバンド名の変更を余儀なくされた有名なエピソードのまさにそのコンサートということで、記録的にも貴重なコンサート。遠くデンマークの風景に想いを馳せて、まだまだ保守的だった時代に、ツェッペリンが欧州の人たちにいかに衝撃的だったかを感じつつ、本作を聴いていただけたらと思います。CD2枚組で美しいピクチャー・ディスク。もちろん永久保存のがっちりプレス盤です。厚型コーティング・ジャケに日本語帯付。 [DISC ONE] 01. Dazed & Confused 02. Heartbreaker 03. White Summer - Black Mountain Side 04. Since I've Been Loving You 05. Organ Solo - Thank You 06. Moby Dick [DISC TWO] 01. How Many More Times 02. Whole Lotta Love 03. Communication Breakdown 04. C'mon Everybody 05. Something Else 06. Bring It on Home 07. Long Tall Sally CC01