ウェンディ・レーベル第31弾は、伝説となる1969年4月のフィルモア4連続公演より、初日のコンサートを収録したタイトルがリリースになります! そのどれもが名演として名高いフィルモアでの4日間。その初日となる本作は、異常なほど緊迫した空気が張り詰めており、一瞬たりとも気が抜けない、聴きながらスピーカーの前で凍り付いてしまうような、そんな初期ならではの演奏を聴くことができます。なんといっても「As Long As I Have You」の18分に渡る凄まじい演奏は、オフィシャルでも聴くことができない、これを知らずに彼等の魅力を語ることが出来ない、まさにコレクターをやっててよかったと思う瞬間。この素晴らしい名演がいよいよウェンディからリリースになります! 音質的には、これはもう単に最高音質の範疇では語れないくらい素晴らしいもの。サウンドボードかオーディエンスかと議論を呼んだくらいで、現在でもそのどちらとも決定的な確証が得られていません。楽器の音、シンバルの響きなどを聴くといずれもクリアで、かつ迫力ある低音も損なわれておらず、ベースの音からもサウンドボードのような気がしますが、ヴォーカルが若干埋もれがちな点オーディエンスとも思えます。現在では一応オーディエンス録音ということで落ち着いてはいますが、それでもただのオーディエンスではなくマイクを2本立てているとか、モニターの前で録音されたとか、いずれにせよ只者ではない音源であることは確かです。この素晴らしい音質はツェッペリン・コレクターズ史上でも白眉でしょう。 続いて内容ですが、本公演は元々カットが少ない音源ですので、本作においてもそれは同様、ピッチも正確で全体を通して安定して聞くことができます。ノーカットでの18分に渡る「As Long As I Have You」ではアドリブいっぱいに、途中ジョンジーのベースにトラブルが生じますが、それすらも歌詞のネタとして織り込み、まるで鋭利な刃物で切り進むように、空気を裂いて次々に演奏を突き進めます。この緊張感! この躍動感! 今回ピクチャー・ディスク仕様の盤面に使われたのは有名な「ステージを拝む少年」の写真。本作を聴くと、その少年の気持ちがわかるでしょう。本当に拝みたくなるくらい神々しい光を放つステージなのだから! さて、もうひとつ注目すべき点は「White Summer - Black Mountain Side」のテープ・キュルの部分ではないかと思います。既発音源ではそのまま放置されていたのがほとんどでしたが、本作はこの部分にもスピード補正を施して±0に調整をしています。今まで聞けなかった部分が聞ける、これも本作の特長のひとつでしょう。専門誌によると、この部分にスピード補正を加えていないものはノーカットで、加えているものはその前後がカット有と分析されており、それが一般的な認識となっていますが、本作制作過程においてテープ・キュルの部分のスピード補正をして通して聴いてみると、いずれにせよ、その前後にカットが生じているのが判明しました。従って既発音源は全てカット有ということになります。もちろん、それは本作でも例外ではなく。なるべく違和感なく聴けるようにしてありますが、カットがあるのは仕方のないこと。それでも、このテープ・キュルの箇所がここまで綺麗スムーズにピッチ調整して聴けるのは本作が初めてではないでしょうか。フィルモア初日といえばテープ・キュルと言われるくらい目立つ欠点でしたが、本作以降はきちんとピッチ調整されたものがスタンダードとなることでしょう。ウェンディ・レーベル初の1枚モノのタイトルですが、内容的には2枚も3枚も聴いた後のような充実感を得ることのできる濃厚なもの。しかもサウンドボードかオーディエンスか議論されるくらいの高音質。もちろんウェンディの特長である美しいピクチャー・ディスク仕様&日本語帯付です! 01. Tuning 02. As Long As I Have You - Fresh Garbege - Shake - Mockinbird - You Can't Judge A Book By The Cover 03. Killing Floor 04. White Summer -Black Mountain Side 05. Babe I'm Gonna Leave You 06. Pat's Delight CC01