いよいよ始動し出した結成50周年のローリングストーンズが、英米でわずか5公演という、ツアーを謳うには本数が少なく貴重なコンサートを開催。本作は、そのこけら落としとなる英国はロンドンのO2アリーナ2公演を、高音質オーディエンスにてMCを含め完全収録したタイトルになります。 ディスク1とディスク2は初日2012年11月25日のコンサートを収録。開演前のざわめきから、不気味な覆面軍団による太鼓でのオープニング、そしてローリングストーンズ!というアナウンスと共にスパークするのは、予想だにせず、また誰もが驚いた「彼氏になりたい」でのオープニング!ライヴで演奏するのは60年代以来となり、まさに50周年記念ツアーに相応しいオープニングと言えるでしょう。本家ビートルズの軟弱なアレンジと異なり、骨太のロックンロールになっているところがストーンズの本領発揮と言ったところ。続いて「ひとりぼっちの世界」、「イッツ・オール・オーヴァー・ナウ」、「黒くぬれ」など60年代の楽曲が続き、徐々に時代を進めていきます。「ギミーシェルター」では、恰幅良いリサはコーラスに専念し、ミックと対峙するのはゲスト・ヴォーカルのメアリーJブライジ。緊張したのか最初声が小さく、まだ弾けていないようですが、ミックの熱演に徐々に慣れてきて、伸びのある艶やかなヴォーカルを披露しています。「オール・ダウン・ザ・ライン」ではミックがプロモと同じアクションをしているので思わずニンマリ。まるで伝統芸能を後世に伝えようとしているかのようです。 そして初日のハイライトのひとつは、ジェフベックの登場です。キースやロニ―とは異なる音色のギターが一本加わるだけで、会場の空気ががらりと変わるような素晴らしさ。なぜ「ゴーイングダウン」だったのかはさておき、普段のストーンズ単独ステージでは聴けないレアな選曲です。さらにビッグ・ゲストは、事前にアナウンスされていたためサプライズではなかったものの、ビルワイマンの登場です。脱退後の最近の曲はさすがに無理でしょうが、ここで演奏されている「イッツ・オンリー・ロックンロール」と「ホンキートンクウイメン」の2曲は、もはや手が自然に動くくらい、身体が覚えているでしょう。フォーマーメンバーという紹介で登場したビルにはひときわ大きな歓声が送られています。そしてかつてのメンバーといえば、「ミッドナイト・ランブラー」で登場したミックテイラーです。体型からは往年の美青年のイメージから遠く年月を感じさせますが、プレイはさすが現役だと思わせる鋭いもので、ギターソロの見せ場からは、腹も出てますがオーラもばっちり出ています。 さらに「無情の世界」には、美しいコーラス隊との共演がありました。イントロの聖歌のような雰囲気のコーラスから、キースがギターを奏でた時の厳かな雰囲気。さらに珍しいのは、これは映像で見なければわからないことですが、ミックもギターを持って歌っている点です。曲が盛り上がるにつれ、コーラスとバンドが一体となってフィナーレへ向かう、これは今までで最高のアレンジでしょう。 なんでもこの初日は時間が押していて、後にストーンズ側が罰金を払うことになってしまうというニュースが直後に流れましたが、そのせいか「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」が最後のシメとなりました。「サティスファクション」はお預けとなってしまったところ、非常に残念ですが、久しぶりのステージで充分な手応えがあったのではないか、そんな素晴らしいコンサートです。 ディスク3とディスク4は二日目となる2012年11月29日のコンサートを完全収録。これまた開演前のドンドコから、ローリングストーンズ!というアナウンスと共に始まるコンサートが、初日以上の高音質オーディエンス録音で完全収録されています。この二日目は初日とオープニング・ナンバーが入れ替えられ、「ひとりぼっちの世界」から始まり、「彼氏になりたい」は2曲目。続いて登場するのは、やはり60年代の曲「ザ・ラスト・タイム」!!! モッズ・ファッションに身を包んだ少年たちが歌う曲を、およそ50年後もこうしてステージで歌っているのが不思議な感じです。ミックも調子良く、このコンサートは初日よりベターだぜ!と興奮気味に語っています。この二日目にも、ビルワイマンとミックテイラーは、初日と同じ曲で共演しているのですが、この日のハイライトは何といっても「ギミーシェルター」で登場したフローレンス・ウェルチでしょう。この大迫力のヴォーカルは、ミックの相手としては不足なし。むしろミックが後ずさりするくらいの絶叫で、会場にいた誰もが圧倒されたのではないでしょうか。高音でも声がかすれることなく、最高のパフォーマンスを見せています。マジでこれはすごいです! そして驚きを持って迎えられたのは「レディ・ジェーン」。60年代のレアな楽曲を意図的にセットリストに採り上げているのは理解できますが、まさかこの曲をやろうとは・・・これも60年代にライヴで演奏して以来のコンサートでの演奏となります。まさにレア度マックス。キースとロニ―の二人が着座し、あの美しいメロディを奏でると、会場がシーンと静まりかえるのが音だけからも伺えます。「TIGERS ON STAGE」よりも数倍ステキな演奏です。続いてのハイライトは「Champagne And Reefer」におけるエリッククラプトンとの共演でしょう。初日のベックに続いて登場したギター・レジェンド。ミックはミスター・スローハンド!と絶賛の声をあげています。 基本的なセットリストは初日と同じなものの、アンコールの最後をしめくくるのは、初日では時間の都合で演奏出来なかった「サティスファクション」です。やはりシメはこの曲でしょう。矢沢永吉に影響を与えたかもしれないタオルをぐるぐる回すパフォーマンスでイントロからハイテンション。来るアメリカ公演がとても楽しみになる上り坂を転げ上がるローリングストーンズが堪能できます。 ストーンズ50周年記念興行コンサートの2公演だけ行なわれた英国公演を二日間とも高音質オーディエンス録音にて完全収録。多彩なゲストとレアな選曲、聴きどころ満載の興奮をもう一度!なお、各公演にはボーナストラックも収録した、O2アリーナ音源の決定盤!美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤! O2 ARENA LONDON U.K. NOVEMBER 25, 2012 DISC ONE 01. Introduction 02. I Wanna Be Your Man 03. Get Off Of My Cloud 04. It's All Over Now 05. Paint It Black 06. Gimme Shelter with Mary J. Blige 07. Wild Horses 08. All Down The Line 09. I'm Going Down with Jeff Beck 10. Out Of Control 11. One More Shot 12. Doom And Gloom 13. It's Only Rock'n Roll with Bill Wyman 14. Honky Tonk Women with Bill Wyman 15. Band Introductions DISC TWO 01. Before They Make Me Run 02. Happy 03. Midnight Rambler with Mick Taylor 04. Miss You 05. Start Me Up 06. Tumbling Dice 07. Brown Sugar 08. Sympathy For The Devil 09. You Can't Always Get What You Want 10. Jumpin' Jack Flash BONUS TRACK SOUNDBOARD SOURCE 11. Introduction - I Wanna Be Your Man PARIS REHEARSAL Octber 11, 2012 12. I Wanna Be Your Man O2 ARENA LONDON U.K. NOVEMBER 29, 2012 DISC THREE 01. Introduction 02. Get Off Of My Cloud 03. I Wanna Be Your Man 04. The Last Time 05. Paint It Black 06. Gimme Shelter with Florence Welch 07. Lady Jane 08. Champagne And Reefer with Eric Clapton 09. Live With Me 10. Miss You 11. One More Shot 12. Doom And Gloom 13. It's Only Rock'n Roll with Bill Wyman 14. Honky Tonk Women with Bill Wyman 15. Band Introductions DISC FOUR 01. Before They Make Me Run 02. Happy 03. Midnight Rambler with Mick Taylor 04. Start Me Up 05. Tumbling Dice 06. Brown Sugar 07. Sympathy For The Devil 08. You Can't Always Get What You Want 09. Jumpin' Jack Flash 10. Satisfaction BONUS TRACK SOUNDBOARD SOURCE 11. You Can't Always Get What You Want CC01